若干酔っ払って書いてます。

元々人間には、心理学者ジェームズ・オールコックのいう「信じたがる脳」を
持っている。「それを信じることで何らかの利益が得られることが、生き延びる上で
有利に働くから」と考えられている。

元々小さな子は新しい情報を信じやすい。
まだ知識がなく、判断する基準を持っていないためだ。急いで色んなことを
学ばなければならない子どもにとって、「信じたがる脳」は生き残る上で必要不可欠
になる。だから、これはDNAレベルで持っている傾向と言える。

例えば、集団生活をする上でフグやキノコを食べて体調が悪くなったという
情報が他人から聞いてそれを信じることでリスクを回避することができる。
これは、その他人の信頼度が高くて情報量が多いほど利益を得られやすく
なる。

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現代は情報社会だ。
他人からインターネットを通じて容易に情報を得られるようになった。
しかし、残念ながらそれは容易に騙されやすくなると言うことをも意味する。
おまけに、世間は一つのことを信じて信念を貫く姿勢を尊しとし、疑いを持つ人間を
「心が捻じ曲がってる」だの、「皮肉屋」として軽蔑する傾向にある。

もちろん、信念を貫くということは尊い。信念を持つことで積極的に生きることも
可能だ。だが、オウム真理教や他の破滅的宗教のように狂気を含んだ信念を持って
しまった場合には、非常に危険なことが起きる可能性もある。

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では人はどのように物事を信じるか。
大雑把に言ってしまうとパターン。

ある事象を見たり遭遇したりすると、過去の経験や知識から似たようなことが
ないかどうかを考え、それに当てはまるものであれば信じやすくなる。
逆に言うとその事象に当てはまらない経験や知識があれば信じにくくなる。
(「信じたがる脳」であるように、信じる力の方が強いが)

お化けや幽霊、UFOを知らない人間は、そのようなものを見てもそれが
超常現象であるとは思わない。自分にそういったパターン情報がないためだ。
ただ、それが超常現象であると教えられると、パターン情報がない人間は
判断が出来ずに容易に信じてしまう。「信じたがる脳」が働くから尚更だ。

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東北産の野菜や肉・魚が危険だというと、「風評被害だ」という反論が返ってくる。
子供の給食も不安だというと、これも「風評被害」。静岡のお茶も「風評被害」。

放射性物質を含んだ塵を吸い込んでも、基準値を超えた食べ物や水を飲んでも
「ただちに健康に問題はない」。

3.11以降、今僕等は2通りのタイプに分かれてしまっている。

なんでもかんでも安全だ、という人間と、なんでもかんでも危険だ、という人間。
この状態には、その辺りの知識や経験(パターン)がない人間が陥りやすく、その
時周りにいた人間がどのような教え方をするかですぐに信じる内容が決まる。

なんでも危険という人間が一方的に風評被害を招いていると考えられやすいが、
実は、風評被害を作り出しているのはこの2通りだ。

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かたや小学校の図書館には大抵”はだしのゲン”が常備されており、そうかと
思えば国策の原子力は安全で夢のエネルギーと教えられる。
 チェルノブイリ事故の悲惨さを報道してきたTVが、ウクライナの基準値(40Bq/Kg)を
知らせずに暫定基準値(500Bq/Kg)でも安全で直ちに影響はないとのたまう。

何を信じればよいのか。

更には日本は外国と違い世間体を大変気にするお国柄。

汚染された食物を買わなかったら生産者が生活できないじゃん!国の財布だって
限度があるよ!すぐに確実に死ぬわけじゃないんだからいいじゃん!国だってただちに影響はないって言ってるのに疑うの?性格わる~いwでももし病気になったら
自己責任で宜しくね!お互い様だから!

自分だけ助かろうったって正々堂々とはとてもではないが出来たもんじゃない。
そうやって皆が茹で蛙になっていく。

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何を信じればよいのか。

まずは科学的に考えること。その数値は高いですか?低いですか?その根拠は?
科学的に考えた結果導き出される将来の予想はどうですか?それは再現性がありますか?
他のデータも同じような結果が出ていますか?

こんな感じで考えていけば大体何を信じればよいかは判断できる。
ただし、数値を公表せずに安全だというものは科学的に判断できないものだから
信じる必要はない。”ただちに影響がない”が、”いつ影響が出るか”を言わないなら
その言葉は信じるに足りない。

逆に、危険だというばかりでその根拠が提示されず根拠を見つけられない場合も
疑う目を持たねばならない。危険を煽る方が注目度は上がる。それに目をつけて
危険なイメージで報道すると鵜呑みにする人も出てくる。そして訳も分からず
危険と言って煽ることになる。ただし、情報が不十分な状態に置かれたら
仕方のないことでもあるが。

震災直後の政府は、「情報を与えたらパニックになる」と国民を子ども扱いし、
大人や教育者までも政府の言うことを信じたがった。未成年に自ら考える力を
つけるための教育機関も、単なる試験勉強の場でしかないと大人が考えている
ことがばれてしまった。
でも、今でもあの時の国の考え方に納得している人がいたりする。情報を与えない
ことでもパニックになりうるのに。非常に残念だ。

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今後、発病する人も出てくると思う。
それが原発のせいかどうかは今の状態では証明できない。何かが原因で健康に影響があると
証明するには、長い期間を掛けて疑わしい物質を与えたりして動物実験をする必要がある。
だから、今から動物実験を始めてほしい。きっと長いこと掛かるし、犠牲になる動物も
本当にいい迷惑だと思う。こんなことを言う自分もアレだとは思うが・・・今の政府の状態で研究費が
出るかすらも分からない。だから、こういう声を上げるのも今の自分の義務だと思う。

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