http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20120318-OYT1T00603.htm

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原発について、色々自分の頭を整理するために色々書き溜めてます。
 ただ、反原発の立場を言っても反発が返ってくることもあるだろうから、出そうかどうか考え中。

 なぜなら、何が正しいか、じゃなくて、何を信じるか、という宗教論争になるから。

 だから、今回はコストの話をしてみます。

 そもそも、原発は火力発電よりもコストが掛かっている。原発と火力発電の建設費はどうやら
同じらしい。(資料によって全く違う結果になるので、個人的に調べた中での印象)
 ただし、原発は夜間も停止できないため、夜間はダムに水を溜めることで蓄電
する施設も設置する必要があり、大体原発1個につき水力発電施設が2個必要に
なる。そして、水力発電施設1個の建設費は、火力発電とほぼ同等らしい。
 つまり、原発を1つ作ると、水力発電施設も2つ必要になるので、トータルで
火力発電所の3倍の建設費が掛かるという計算だ。政府や電力会社の比較資料は
、そういったことは考慮に入れずに計算していたりするという印象を受ける。
  だから、原発と火力発電を比較すると、建設費についてはどう見ても原発が
高コストになるようにしか見えない。

 では、ランニングコストは?ウランが安いかも?

 ウランは同質量、同濃度であれば、金よりも少しコストが高い資源だ。
 熱量だけで比較すれば、調べた限りはウランは石炭の約1/50のコスト。(注:1gの石炭の熱量と価格、1gのウランの熱量と価格でザクッと計算しています。ウランの燃料代を正式に出している資料を見たことが無いので)
 これが、火力よりも原子力の方が安いと喧伝される根拠。ただし、そこには処理
や保管の費用、今回のような事故時の賠償に必要な20兆円とも言われるコストは
入っていない。更には補助金を地元に払う必要もある。
単純計算すると賠償金だけで、年間約5000億円も費用が掛かった計算になる。
 ・・・事故の際のコストを考えると、既存の原発は使えるだけ使わなければ勿体無い、というお話にはならなさそうだ。

 諸々のことを考慮していくと、原発はけしてコスト対効果が優れたものではない。


・・・ちなみに、東電社長は原発施設の官による管理は断りつつ、事故発生時の
莫大な賠償金については民間会社で負いきれるものではないから、国が肩代わり
すべきだ、という非常に舐めた発言を昨年9月にしている。
http://www.toyokeizai.net/business/interview/detail/AC/10c2ba7c65150b41e7e51146baa3a1fb/page/1/


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 問題はコストの話だけではないが、話を宗教論争にせず定量的に判断できるようにするためにあえてコストに絞って書いてみました。

 最後にあるように、利益は民間へ、リスクは国へ、という無責任な考え方をするトップがいる限り、こういった事故は再度起こる。

 潜在的な問題が存在していたとしても、会社である限りは、会社の決算に大きな
影響を与えかねない運用停止と検査費用や最悪廃炉に掛かるコストを考えれば、見て見ぬふりをしたくなるのはありえることだからだ。リスクを肩代わりしてもらえる状況では、リスクと利益を天秤にかけることには全く意味が無く、歯止めが利かなくなる。
 不可抗力、想定外などという都合のいい言葉はもう聞き飽きた。

 だからといって、ホイホイ火力発電所がつくれる訳でもないが、少なくとも
火力の代わりに原発を動かす納得できそうな理屈は見つからないように見える。


 気が向いたらもう少し続けます。

コメント

KEM
2012年3月21日0:47

問題はそういう暴走が何十年も続いた後だってことですね。

足の引っ張り合いでまるで話が進まない。

lastphobia
2012年3月21日23:09

(´・ω・`)そう。暴走の期間長かったですね。
多分皆そちらに目を向けてなかったせいもあるでしょう。私自身もあの日までまるで不勉強でそれを気にしてませんでしたからね。

だから今はいいチャンスだと思いますよ。こういう議論をするには。
足の引っ張り合いがどの部分を指しているか分からないですが、知られないでいる
よりも色々注目される方が暴走しにくいと思います。

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