http://yutori2ch.blog67.fc2.com/blog-entry-3961.html

いやはや・・・すごいね東電。
どうしてこんな考え方が出来るのか。。

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今回は運用の話。

 次に天災が起きたらどうするか。

 原発には、温度計の他にも水位計やら圧力計やらの数多のセンサーが備え付けられている。 原発は直接見ることができないため、センサーで数値を見て稼動している。(実際には正常時には自動運転で災害時に半手動)
 当然、センサーが壊れることも考慮して複数備えられているから、少し前の温度計異常でも他の温度計が正しい値を示しているので安全だ、というニュースがあった。
 だが、センサーが複数あれば安全なのか?という点には疑問がある。一つ壊れた場合に他が正常かどうかを判断する方法が難しいためだ。
http://www.sankeibiz.jp/business/news/120327/bsd1203270746002-n1.htm

 もちろん、時間があれば判断できると信じている。運用者も十分教育された人間だとしよう。更に、定期検査も、製造時の部品チェックも完璧に手抜き無しに実施されたとして、だ。

 しかし、天災でセンサーが複数同時に壊れた場合、短期間でどこまで正しい判断ができる?
 炉心溶融まで数時間しかない。天災で現場も司令部署も混乱しているし、救援は道路が壊れていて期待できない、負傷者がでて持ち場に人がいない、こんな状況で正しい判断を下せるのはよほどの経験や運を持っていないと難しく思える。

 日本の原発で事故が起きる確率は、ラスムッセン報告により100万年に1回と説明されていた。
実際には54機あるので、これを約1/50する必要があるが。そして現実には、50年経たないうちにレベル7の事故が起きてしまった。
 たとえば、旧ソビエトでは、原発の非常発電装置は10回に1回起動しないと言われていた。だから、非常発電装置を冗長化して100回に1回起動しない確率にまで抑えた。それに対して、日本の非常発電装置は1000回に1回起動しない、更にはそれを冗長化するという、非常に優秀なものだった。

 しかしそんな物は結局役に立たなかった。

 色んな警告が事前にあったと後からニュースで暴露されていることから、想定外、で済ますには難しいように思える。東電にとって、事故そのものが想定外だった、ということ以外。

 これらが意味することは明らかだ。機械そのもののMTBFや精度は、人の意思が介在するような設備や運用では、人を含めたトータルのシステムとして見ると事故の発生率を計算する上であまり参考にならない。新しい原発ならより安全だ、という言葉は、厳密に言えば正しい。が、どのくらい安全になったか、という点では計算式ほどには改善は期待できなさそうだ。

 コストを考えて対策をしなかったからこういった事態になる。ではコストを度外視して事前警告された対策を全て実行すればこういった事態は起こらなかったのか? 答えは恐らくYesだ。100%防げるわけでないにしても。

 しかし、そうするとまたコストの話が出てくる。どう考えても、そこまでしたら原発は割に合わない。これまで火力発電よりもコストが安いと言ってきたのは安全部分にちゃんとお金をかけてこなかったからだ。かといって、もう安全神話でコストカットはできない。
 では、原発を存続させる大義名分は今後どうなるのか?


気が向いたら続けます。

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