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非常に時間が空いてしまいました。
色々思考の脂分を抜こうと考えて時間を空けたら、書くモチベーションまで脂が抜けた(;´д`)
さて、原発反対派の意見に対する反発としての、”無責任なこといいやがって!電気が止まったらお前ら責任取れるのか!?”という感情についてですが、、、
結局この気持ちも原発事故が発生した時のことは考慮してないんですよね。今回の事故では風向きが東向きが多かったために汚染の約8割が海に流れ、地上の被害が思ったよりも少なかった(といっても、チェルノブイリ地域よりも酷い飯館村のような場所もある)が、これが日本海側の原発で起きていれば本当に悲惨なことになる。
ミクロで見た場合とマクロで見た場合で結果が違うだけで、どちらが正しいかは個人の価値観によっているので、この争いには白黒つける意味はない。
ただ、心理学の実験でこんなテスト結果がある。
被験者に、500万円が入っている箱と、1000万円が50%の確率で入っている箱を見せ、どちらかを選ばせた場合、より多くの人が500万円の箱を選んだ。
次に、同様に500万円の負債と、50%の確率で1000万円の負債を負わねばならない場合に選択させると、より多くの人が後者を選んだ。
つまり、人はネガティブな要素がある場合にはリスクを取りやすい。
だから、この場合は”電気が止まったらどうするのだ、事故が起こらないことに賭けてみよう”という意見が多数派だったのだろうと思う。
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報道を見ていて気に食わなかったのが、原発立地地域の首長が「早く原発の再稼動を」と陳情していたことだ。そうしなければ仕事が無い、と言うことは分かる。ただ、それはこれまでは事故は起こらないという前提での話だからこそであって、国から請われてならまだしも、事故後に自ら希望するというのはあまりにも自己中ではないかと思っている。
福井の原平協の人が(事故前に)書いた本を読んだことがある。書いている内容で気になったのが、TMI事故やチェルノブイリ事故については詳細に原因を書いているのに対し、日本の事故は分析が少なく電力会社を信頼する、これまでの実績が何よりの証拠、という言葉が多い。専門家やそれを職業としている訳ではないにしても、原発推進の立場でそれはまずいだろう、と思っていたが、もしかして、こういう原発の近くにいる人達は自己洗脳で自分のところは事故が起こらないと思っているのだろうか。だとしても、他人まで洗脳しようとしないでほしいが。
腹をくくっている、都市部の人間のために犠牲になってやっている、と言われても、補助金をもらっている上に万が一事故が起きれば補償を求めるだろうことを考えると、そんなことを言われても虫唾が走るだけだ。近隣県には補償などないし、原発立地県も厳密に言えば電力融通と言う形でその原発で作られた電気を利用しているのだから。
今現在原発関連の仕事をして生計を立てている人を責めるつもりはないが、自分達がよければそれで良い、という首長の態度は頂けない。事故が起きたら迷惑をかけた近隣県のために補償金を全額使います、くらい言うのであれば、まだ覚悟があると思うのだが。
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この国の原発経済の構造は非常によく出来ている。その本質は、強者が弱者から奪うヒエラルキーなのだが、強者である都市部を士農工商の士とし、実際には原発の電気は工業のためであり、そこでの利潤は政治家や電力会社が吸い上げる。本来弱者である原発立地県を2番目に偉い農に位置づけ、たとえ立地県に発展がなく現状維持であっても、多少の金と自分達は都市部の犠牲になっているのだという幻想を抱かせて自尊心をくすぐらせて利用する。
この構造を考えた人間は、本当に頭が良いと思う。人間社会の嫌な面を本当によく理解している。
上記を読んで、皆Win-Winであれば(廃棄物や事故以外は)問題ないと考える人もいるかもしれないが、もちろん実際には更に下の階級が存在する。
ご存知だと思うが、原発は問題が無い限りは通常年一回の定期点検が必要となる。
原子炉を止めた後、内部の点検を技術者が行うが、そのために大量の作業員が原発に投入される。その中でも格納容器周辺や容器内部は相当放射線量が高い。そのままでは技術者が入って作業できないので、誰かが放射性物質を雑巾でふき取る作業が必要になる。この「誰か」は電力会社の社員やメーカーの人間ではなく、ドヤ街から集めてきた日雇い労働者にさせるのだ。除染の作業員は技術員が近づける状態になるまで、雑巾で放射性物質をふき取る作業をさせられる。そのノルマは作業時間ではなく、「被曝量が定められた値になるまで」である。
通常は1ヶ月で雇い止めになるが、それまでに体調に変調をきたして辞めていく人も多い。
恐らく福島事故で問題になっているのと全く同じ構図が、事故が起きていない各地の原発で存在している。
ある本(後述※)によると、1970~2008年までの累積総被曝線量は約3200人Svに達するが、よく用いられる2007年のICRPの評価基準に従えば、これまでに日本の原発労働者のうち160人が癌で死んだことになり、毎年の総被曝線量を80人Svとすると、毎年4人の癌死亡者が出ている計算になる。もちろん、これはICRPの癌死亡者の値であって、ECRRでは毎年癌死亡者が8人、癌になるが死なない人が16人、遺伝性疾患が3人、4人が心臓病になる。(ICRPの閾値はECRRの2倍と考えると良い)
ただ、この値も追跡できる人のデータで算出されたものでしかなく、ドヤ街の住人に戻った後に発病しても因果関係の証明は不可能だ。
このように、日本の原発は弱者を踏みつけることで運営されている。事故が起きなくても死者は出るのだ。
人は弱い生き物で、自分の食い扶持のために他人を見殺しにする場合がある。
私は自分も電気を使ってきたし、自分は特に弱いと思ってるので、それを非難はできない。だが、偉そうな顔をして当然の権利のように主張して他人の命を貪る人間にはなりたくない。
※小学館:原発はなぜ日本にふさわしくないのか 竹田恒泰著
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(´・ω・`)ちなみに今年の夏は扇風機買ってクーラー無しで過ごしました。
うなぎの寝床のような賃貸なので、ドアと窓を開けていれば風が通って意外となんとかなった。冬は風邪で死にそうになった1日だけつけたけど、それ以外はブレーカー毎落としてます。まぁ環境条件によるのでオヌヌメはしませぬ。待機電力もほぼ省電力タップだらけでほぼないし、風呂入ってる時は部屋の電気消すし、TVも見ないし、もう節電するところがない。。。(PCは死守)
賃貸でなければ15A契約でもイケル希ガス。
ま、一人だけやっても社会には影響ないですがね。こんなことであんな思いをしなくて済むように少しでもなるなら安いもの。バ、バタフライ効果とかないかな(;´ω`)c
ちなみに原発関連はまだ続きます・・・。
色々思考の脂分を抜こうと考えて時間を空けたら、書くモチベーションまで脂が抜けた(;´д`)
さて、原発反対派の意見に対する反発としての、”無責任なこといいやがって!電気が止まったらお前ら責任取れるのか!?”という感情についてですが、、、
結局この気持ちも原発事故が発生した時のことは考慮してないんですよね。今回の事故では風向きが東向きが多かったために汚染の約8割が海に流れ、地上の被害が思ったよりも少なかった(といっても、チェルノブイリ地域よりも酷い飯館村のような場所もある)が、これが日本海側の原発で起きていれば本当に悲惨なことになる。
ミクロで見た場合とマクロで見た場合で結果が違うだけで、どちらが正しいかは個人の価値観によっているので、この争いには白黒つける意味はない。
ただ、心理学の実験でこんなテスト結果がある。
被験者に、500万円が入っている箱と、1000万円が50%の確率で入っている箱を見せ、どちらかを選ばせた場合、より多くの人が500万円の箱を選んだ。
次に、同様に500万円の負債と、50%の確率で1000万円の負債を負わねばならない場合に選択させると、より多くの人が後者を選んだ。
つまり、人はネガティブな要素がある場合にはリスクを取りやすい。
だから、この場合は”電気が止まったらどうするのだ、事故が起こらないことに賭けてみよう”という意見が多数派だったのだろうと思う。
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報道を見ていて気に食わなかったのが、原発立地地域の首長が「早く原発の再稼動を」と陳情していたことだ。そうしなければ仕事が無い、と言うことは分かる。ただ、それはこれまでは事故は起こらないという前提での話だからこそであって、国から請われてならまだしも、事故後に自ら希望するというのはあまりにも自己中ではないかと思っている。
福井の原平協の人が(事故前に)書いた本を読んだことがある。書いている内容で気になったのが、TMI事故やチェルノブイリ事故については詳細に原因を書いているのに対し、日本の事故は分析が少なく電力会社を信頼する、これまでの実績が何よりの証拠、という言葉が多い。専門家やそれを職業としている訳ではないにしても、原発推進の立場でそれはまずいだろう、と思っていたが、もしかして、こういう原発の近くにいる人達は自己洗脳で自分のところは事故が起こらないと思っているのだろうか。だとしても、他人まで洗脳しようとしないでほしいが。
腹をくくっている、都市部の人間のために犠牲になってやっている、と言われても、補助金をもらっている上に万が一事故が起きれば補償を求めるだろうことを考えると、そんなことを言われても虫唾が走るだけだ。近隣県には補償などないし、原発立地県も厳密に言えば電力融通と言う形でその原発で作られた電気を利用しているのだから。
今現在原発関連の仕事をして生計を立てている人を責めるつもりはないが、自分達がよければそれで良い、という首長の態度は頂けない。事故が起きたら迷惑をかけた近隣県のために補償金を全額使います、くらい言うのであれば、まだ覚悟があると思うのだが。
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この国の原発経済の構造は非常によく出来ている。その本質は、強者が弱者から奪うヒエラルキーなのだが、強者である都市部を士農工商の士とし、実際には原発の電気は工業のためであり、そこでの利潤は政治家や電力会社が吸い上げる。本来弱者である原発立地県を2番目に偉い農に位置づけ、たとえ立地県に発展がなく現状維持であっても、多少の金と自分達は都市部の犠牲になっているのだという幻想を抱かせて自尊心をくすぐらせて利用する。
この構造を考えた人間は、本当に頭が良いと思う。人間社会の嫌な面を本当によく理解している。
上記を読んで、皆Win-Winであれば(廃棄物や事故以外は)問題ないと考える人もいるかもしれないが、もちろん実際には更に下の階級が存在する。
ご存知だと思うが、原発は問題が無い限りは通常年一回の定期点検が必要となる。
原子炉を止めた後、内部の点検を技術者が行うが、そのために大量の作業員が原発に投入される。その中でも格納容器周辺や容器内部は相当放射線量が高い。そのままでは技術者が入って作業できないので、誰かが放射性物質を雑巾でふき取る作業が必要になる。この「誰か」は電力会社の社員やメーカーの人間ではなく、ドヤ街から集めてきた日雇い労働者にさせるのだ。除染の作業員は技術員が近づける状態になるまで、雑巾で放射性物質をふき取る作業をさせられる。そのノルマは作業時間ではなく、「被曝量が定められた値になるまで」である。
通常は1ヶ月で雇い止めになるが、それまでに体調に変調をきたして辞めていく人も多い。
恐らく福島事故で問題になっているのと全く同じ構図が、事故が起きていない各地の原発で存在している。
ある本(後述※)によると、1970~2008年までの累積総被曝線量は約3200人Svに達するが、よく用いられる2007年のICRPの評価基準に従えば、これまでに日本の原発労働者のうち160人が癌で死んだことになり、毎年の総被曝線量を80人Svとすると、毎年4人の癌死亡者が出ている計算になる。もちろん、これはICRPの癌死亡者の値であって、ECRRでは毎年癌死亡者が8人、癌になるが死なない人が16人、遺伝性疾患が3人、4人が心臓病になる。(ICRPの閾値はECRRの2倍と考えると良い)
ただ、この値も追跡できる人のデータで算出されたものでしかなく、ドヤ街の住人に戻った後に発病しても因果関係の証明は不可能だ。
このように、日本の原発は弱者を踏みつけることで運営されている。事故が起きなくても死者は出るのだ。
人は弱い生き物で、自分の食い扶持のために他人を見殺しにする場合がある。
私は自分も電気を使ってきたし、自分は特に弱いと思ってるので、それを非難はできない。だが、偉そうな顔をして当然の権利のように主張して他人の命を貪る人間にはなりたくない。
※小学館:原発はなぜ日本にふさわしくないのか 竹田恒泰著
--------------------------------------
(´・ω・`)ちなみに今年の夏は扇風機買ってクーラー無しで過ごしました。
うなぎの寝床のような賃貸なので、ドアと窓を開けていれば風が通って意外となんとかなった。冬は風邪で死にそうになった1日だけつけたけど、それ以外はブレーカー毎落としてます。まぁ環境条件によるのでオヌヌメはしませぬ。待機電力もほぼ省電力タップだらけでほぼないし、風呂入ってる時は部屋の電気消すし、TVも見ないし、もう節電するところがない。。。(PCは死守)
賃貸でなければ15A契約でもイケル希ガス。
ま、一人だけやっても社会には影響ないですがね。こんなことであんな思いをしなくて済むように少しでもなるなら安いもの。バ、バタフライ効果とかないかな(;´ω`)c
ちなみに原発関連はまだ続きます・・・。
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コメント
これが当たり前になって欲しいのですが現実は・・・。
まじめにランニングコスト考えたら、クーラーとかやってられないはずなんですが・・・。
私そんなに貧しい方ではないはずなんですが、
どうも世の中はクーラーのランニングコスト気にならない方が多数派らしい。
まぁ、環境や体調で耐えられるかどうかとか個人差もあるので。。。
原発の即時撤廃が出来ないのと同じくらい、環境が整わない限りすぐに人の習慣を変えるのも難しい。それに、電気の大口使用者は一般住民じゃないですし。(台無し発言) その辺りも踏まえて、多少本を読んできて、火力を増やさずとも、原発を再稼動させずとも何とかなる方法があるのではないかと思ってます。
>Karaya3
いやー、ランニングコストを気にしても扇風機回しても暑い風しか来ないケースとかだと、クーラーのランニングコストには目を瞑るケースもあるのでわ。私は耐え切れない場合には図書館かスーパーに逃げましたが。